テムズとともに 徳仁親王
現在の天皇陛下、発刊時の徳仁親王名義での、昭和時代にイギリス留学した際の随筆。留学前の期待と不安、ホームステイや学校生活、ロンドンにテムズ河、オックスフォード、小旅行で訪れた地名として登場するストーンヘンジ、コッツウォルズ、ドーバー、ライなど、私には懐かしく共感。私が経験したのは超短期の語学研修に、単なる観光旅行でしかないが。
天皇陛下の御人柄を感じさせる良書で、日本国民なら読んでおきたい。イギリス王室のエリザベス女王や現国王のチャールズ皇太子、他ヨーロッパ各国の王室との交流についても記されており、それが現在に繋がっているのだと理解出来る。
1993年に刊行、2023年4月に書き下ろしの後書きが新たに添えられて復刊。2002年に出た英訳本にはチャールズ皇太子が言葉を寄せられているそうだが、復刊本に掲載は無い。また、昨今の状況を思うと、父や母(表記のまま)への感謝の気持ちが綴られているのが切ない。
紙版で購入後、周囲に貸すことになったため、自分の手元用にと電子書籍版も購入してしまった。